原点に戻るということ

写真の原点はモノクロフィルムだ。デジタルカメラ全盛の時代になって、カラーフィルムやモノクロフィルムで写真を撮る人が大激減している。創業100年以上の歴史を誇るアメリカの映像機器最大手、イーストマン・コダックが米連邦破産法11条の適用を申請した時、世界中に衝撃が走った。コダックのフィルムが無くなる……。

20歳から写真を撮り始め、その時からコダックのカラーポジ、モノクロのトライXフィルムを常用していた者にとっては、とても悲い出来事だった。幸い、屋久島の写真を撮り始めた時から、日本のフジフィルムを使っているため現在まで支障なく撮れている…が…。

作品の撮影は100%カラーポジフィルムを使う。デジタルカメラはほとんど使わない。デジタル一眼を使うのは、依頼された仕事で原稿素材を撮る時だけ。それと、日々更新している撮影雑観などは、HP用にコンパクトデジタルカメラを常用している。

カラーポジフィルムを使う場合、撮る対象物の「色」をそのまま出したいということにこだわるため、数種類のフィルムで撮り別けるが、「物」を見る目を鍛えるのはモノクロフィルムが自分には適している。だが、たまにデジタルカメラでモノクロ写真を撮っているものの、プリントした時、どうも違ったイメージで上ってしまう。なにかが違うのだ。

そのため最近は、中判カメラ(ちゅうばんカメラ)のペンタックス67{ろくなな・120、220のブローニーフィルム(1カットは名刺ぐらいの大きさ)}を復活させて、別のモノクロ作品も撮り始めた。=写真はデジタルモノクロ

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