投稿者「Horie Shigeo」のアーカイブ

一枚の落葉が森をつくる

屋久島の森は腐葉土が少なく、栄養が乏しいといわれる。島全体が、海岸からいっきに中心部の山頂まで駆け上がり、森に葉が落ちても大雨が降ると川へ流されてしまう。そして海へ。地表に下草があれば流されずかなり残るのだが、その下草をシカが食べてしまい、遠くまで見渡せるぐらい空間が広がる。かろうじて残った「一枚、一枚の葉」が、腐葉土となって樹齢数千年の屋久杉を育て、原生林をつくるといっても過言ではない。

写真=18日、「Canon Power Shot S90」

彩光瞬景

そこに光はあった。

今朝は雨上がりで山は少し冷え込んでいたため、トロッコ道に射し込む朝日を森の冷気が拾っていた。

ふだん撮影の時は、下見をして光が射し込む場所を確認できたら、後日その場所で1時間、半日、1日待つことがある。それでも撮れないことが多い。季節によって太陽が出る位置も違うし、途中雲がかかることもある。無駄の連続。でも通い続ける。やがてその光をフィルムに撮り込んだとき、そこから物語が始まっていく。

写真=18日、トロッコ道 「Canon Power Shot S90」

夢の途中

山に霧がかかり、それがとれて山が現われたとき、夢から覚めるような感覚になる。そして霧がすべてなくなり全体が見えてしまうと、なんの夢だったんだろうかと思うことがある。

写真(デジタルモノクロ)=17日 「EOS 7D・17-55mmF2・8」

水の譜

100行や1000行の文章よりも1枚の写真に勝るものはない。そして世界中の人々を動かすことができるのも写真が持つ力といわれる。

日ごろ写真を撮る時、「写っているもの、あるいは写ったもの」の先に「何があるのだろうか?、どうなるのだろうか?」ということを想像させる写真を撮りたいと思ってシャッターを押す。写真家は写真で小説を書きます。「写真を読ませる」ことで、表現したいものを想像してもらう。だから表現写真にはキャプション(説明文)はなるべく付けたくない。キャプションを付けてしまって、それを見た人は納得してしまいそれで終わることもある。撮る側も見る側も想像することで感性が鍛えられると思うのです。10人の写真家がいれば10通りの撮り方があり、見る人が10人いれば10通りの見かたと感じ方がある。それが写真の力だと思います。感動を与えた写真は自然と無限大に想像されるものと信じます。若い時に見えなかったものが、歳をとることによって見えてくるものがあります。不思議です。どれだけ感動を与えることができるか、日々精進しながら撮りたいと思っています。

写真=16日 「EOS 7D・70-200mmF2.8」

只今思案中!

永田川の川岸にシラサギご一行様が。見ていてふと、ある場所が頭の中をよぎった。長崎市内にある「思案橋」は、行こか戻ろかで思案したことからついた名前です。

写真=16日・永田集落 「EOS 7D・70-200mmF2・8」

大雨が過ぎて

昨日の夕方から雷を伴った雨は、落雷!もあり地響きが地震かと思うぐらいすごかった。久しぶりの大雨で、種子島・屋久島地方に大雨洪水警報が出た。午前1時ぐらいには雨、雷も小康状態になり、今日の朝は曇りの天気。西部林道へ行く予定だったが、昨夜の雨の影響で屋久島灯台入り口からの西部林道は通行止め。それで永田集落まで行ってみることにした。途中、一湊集落の「布引の滝」に水が……。この滝は、晴れの天気が続くと水がなくなることが多く、素通りしてしまうけど、大雨で流れが戻ってきた。屋久島は大雨になると、山の岩壁などに幻の滝ができる。

写真=16日・布引の滝 「EOS 7D・70-200mmF2・8」

南西の風に乗って

一週間ぶりの雨。日中は小雨が降ったり止んだり、時々晴れたりで安定せず。夕方からは雷を伴ったよこなぐりの雨になった。この時期からの雨は南西よりの風に乗ってやってくる。晴れの天気が続くと屋久島の森、特に白谷雲水峡のコケは“色、艶がなくなりパサパサ”。そこへ雨が降りコケまでとどくと、生き返ったように色が濃くなりシャキッとする。乾いたコケがこうも変わるのかといつも驚かされる。植物にとってはやはり「命の水」だ。その雨水が地中にしみこみ始めると、森中が独特のにおいに変わる。カビ臭いような腐葉土のにおい。と同時に土の中から水に押し出されたミミズや虫を鳥が食するなど、食物連鎖も始まる。

写真=15日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」

※この撮影雑観ページの写真は拡大して見ることができます。

サクラツツジ

『つつじ科つつじ属』 開花時期と花色が桜に似ているため、サクラツツジ。屋久島では川桜、岳ツツジと呼ばれている。

やはり今年は桜と同じで開花が若干遅れ気味。西部林道沿いは4本ぐらい咲いているのを確認できた。今後里山から前岳、奥岳まで広がっていくものと思われる。奥岳で咲くのが遅れると、ヤクシマシャクナゲの開花と同じぐらいになる可能性が…。

写真=13日、西部林道 「EOS 7D・70-200mmF2・8」

拝啓、春暖の候

西部地区の照葉樹が気になり、車は一路西部林道へ。車内の外気温度計は18℃、天気はスカッパレ、窓を開けて走ると南風が気持ちいい。里地の山はかなり新緑が進んでいる。南側の尾之間地区まで来るとかなり暖かくなった。西部林道では車道横にヤク猿たちが気持ちよさそうに寝っころんでいた。そこへ、な、な、なんとニワトリがー!。よく見ると雄鶏!、なんでここに???、その鶏を撮っていたらこちらにゆっくり寄ってきた。おそらく人に飼われていたようだ。最後の栗生集落から2km以上もある場所まで散歩にくるはずもなく…。誰かが捨てた?放し飼い?、猿たちも不思議そうな顔で見ていた。

写真=13日・栗生集落「EOS 7D・70-200mmF2・8」

期を思う

里地の桜の花びらは役目を終え、風に吹かれて遠くまで飛んで行きます。近くの桜の木から舞い降りた花びらが、河口の廃船となった水溜りの中に、まだ沈まず浮いて、風が吹くたびぐるぐる回っていた。お互いに役目を果たし、期(とき)を向かえた。

写真=12日、宮之浦「OLYMPUS PEN E-P1・17mmF2・8」