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投稿者「Horie Shigeo」のアーカイブ
Movie: 雪の白谷雲水峡をUPしました
昨年12月に撮影した映像作品、「雪の白谷雲水峡」をMovieにアップしました。Movieの映像は画面右下のHDをクリックしてご覧ください。
記憶に残る写真
屋久島に住んで17年目に入った。住み始めた時からずっと部屋に飾ってあるモノクロの写真。薄紙にざっと貼り付け安物の額に入れてある。これは大阪で写真学校に在学中撮影のため大阪の豊能郡豊能町に、2年間通い続けた時に撮った作品で、一番心が揺さぶられ記憶に残る写真。写真の原点であるモノクロ写真を忘れないために今も飾ってある。写真を見るたび当時のことが蘇り、写真という記録がいかに大事かを痛切に感じる。デジタル写真全盛期の今、デジタルカメラでも撮ってはいるけれど、フィルム写真の魅力にはまだかなわないと思っている。フィルム写真をこよなく愛する者として今後、フィルムでも撮り続けます。現在、3.000カットのポジフィルムを最終600カットまで絞り込む作業をしていますが、一枚一枚に愛着があり、撮影したときの状況ははっきりと覚えています。すべて記憶に残る写真です。
屋久島エレジー
「波風あらき屋久の島 通ふ汽船は数あれど 主さんのせたあの船は ぶじに鹿児島つけばよい」
戦争で出征する青年を送り出した青春の詩で、生と死、愛と別離を歌った哀調「屋久島エレジー」。この歌碑が永田集落海岸の松林に今も建っている。太平洋と東シナ海に囲まれた屋久島はかつて、鹿児島までの交通手段は船だけに限られた。荒れ狂う海を前に出征と船の無事を、複雑な気持ちで送り出した家族の心情はおしはかることができない。時代は変わっても島に住むがゆえ、切なくも新しい門出を祝い、船で送り出す光景は今でも続いています。
台風などの荒れ狂う海を恐れ、豪雨による災害で水の怖さを知り、貧しさの中で揺れ動く不安と自然界の脅威。また、過去には山の鳴動と疫病を恐れ、人々はいたたまれぬ心中で神に助けを求めた。それがのちの山岳信仰につながっていくのです……。
写真集に向けて原稿書きに追われる日々。屋久島に住む者としてどう伝えるか、毎日が葛藤です。