一年で森が最も美しいのは、6月の梅雨時。コケの緑が一番映える時期で感動が数倍になる。撮る者にとって至福の時間がそこにはある。雨に負けるのではなく、雨のありがたさを感じる時。6月の森を知らずして、屋久島を語るなかれ…。
里地ではアブラギリの花が満開。
少しだけ光が射しこむ沢に落ちていたエゴノキの花。
早朝、霧がかかった神々の森。
かつて人が造った森林軌道の石垣。人が植えたのか?自然に種が落ちて育ったのか?住居跡に立つオナガカエデの大木。苔が歳月を語る。=小杉谷
雨上がりの森は最高にいい。是非見てほしい!
昨日より風は冷たくも快晴。
推定樹齢3000年といわれているウィルソン株の中に、屋久島に生息するミソサザイという鳥が先月からせっせと巣を作り始めた。屋久島の鳥の巣の特徴はコケを多く使い、この時季になるとヤク鹿、ヤク猿の毛が生え変わるため、落ちているその毛も使います。時にはヤク鹿の背中に乗って直接毛をついばんでくるときもあります。雨風をしのげる絶好の場所なのでしょう、毎年春になるとこの株の中に場所を変えて作っています。3000年の切り株の中で、新しい命の誕生が待ち望まれます。
春なのに秋のようなうろこ雲。=25日、荒川登山口
秋の終わりごろ、ヘリコプターのプロペラみたいに飛んでいくヤクシマオナガカエデの種。春になると森の中など、着地した場所で発芽する。今、わずか3cm、5cmも伸びないうちにヤク鹿に食べられる運命にある。一つの命がすぐに絶たれ、別の命が生かされる。これが厳しい自然界の摂理。=21日、白谷