時をみつめて

白谷一葉

紅葉、現在進行中

放射冷却によりここ2、3日で山の紅葉が加速した。=26日、太鼓岩から

雨の後に

明け方まとまった雨が降った森に、陽が射しこむ。

静かな森へ

これからの季節、屋久島の森は人もまばらになってくる。

秋、輝く時

逆光に光るススキの穂。

優しい光を受けるサキシマフヨウの花びら。今年は一斉開花の年、例年より遅く咲き始め今ピークを越した。

 

秋風にゆれて

秋色Ⅱ

ハリギリの黄葉。=白谷

台風過ぎて

昨夜より台風21号の強風域に入っていたが、雨は午前中に止み、風もそれほどふかず。ただ、海上は大しけで一部の便を除いて欠航した。午後にはふき返しの強風と共に青空が広がった。=18日17:57、夕焼け

秋色Ⅰ

川の水面からちょっとだけ出た岩の上に、流れ着いたのか、上から落ちてきたのか、色鮮やかな落ち葉の休息場所。=西部

もうトロッコの警笛は聞こえない

午前6時半ごろ、荒川登山口から縄文杉を目指す登山者が、まだ現役で走るトロッコの線路を歩いていると、午前7時すぎに荒川登山口を出発したトロッコが、線路を歩く登山者に注意を促すため““ビッピー”と警笛を鳴らしながら上がってくる。登山者は小走りで退避できる所まで行って待機し、やがて黄色い機関車が台車を引きながら目の前を通過する時、モグラもびっくりして出てくるのではないかというぐらい地響きが凄い。台車には高田久男さんを筆頭に屈強な山師たちがややさめた様子で乗っていて、登山者は初めて見るトロッコを、ここぞとばかりに機関車や台車の写真を撮るのだが、なかには走ってくるトロッコの前に出て、写真を撮る非常識な登山者に、機関長(運転手)の本田さんが「危なかろーが!!」と今にも殴りそうな勢いで怒鳴っているこうけいがしばしば見られた。

毎年この時季(10月~12月)になると屋久杉の土埋木(どまいぼく=工芸品になる)のヘリコプター集材の準備や、土場(集積所)から土埋木の運材(搬出)をするため、毎日のようにトロッコが動いていて、その写真を撮るため、登山者よりも早くカメラマン(高田久男さんはマニアと言っていた)が2~3人、多いときには10人ほどがいい場所にスタンバイしていた。(私もその一人、別にマニアではないのだが…)トロッコの運材は登山者が上がってしまった午前と下りてくる前の午後、一日2回行われていた。

秋から初冬にかけて小杉谷周辺はこれが風物詩となっていたのだが、2009年12月トロッコの運材は幕を閉じた。

毎日警笛を鳴らしながら上がってきていたトロッコは、現在数ヶ月に何度か、登山者が使用しているトイレのし尿搬出でお世話になっている。トロッコの台車には山師から清掃会社の作業員に変わり、屋久杉からし尿へ。時代は変わってあの勇壮な姿が今は懐かしいのと、寂しさを感じる。(土埋木運材はHP=Human document愛林=土埋木運材 へ)

写真=小杉谷

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