時をみつめて

今、西部林道が面白い

今日も蒸し暑い。 雨は小雨が降ったり止んだり、所により薄日。台風1号の雲が影響しているよう。 西部林道は、シャリンバイ、エゴノキ、センダンの花が満開。いずれも昨年より花が多い。西部林道の数箇所で車を止め、窓を開けるとそのたび、やや強い風に乗って甘い香りが漂ってきた。一種類ではなく複数の香り。初夏独特の香り……。石鹸、ベビーパウダーなどの香りに似ているかな?。写真やビデオの映像でこの香りを伝えることができないもどかしさ……。その場に行って香りを感じて下さいとしか言えない。

写真=11日、大川の滝とシャリンバイ 「OLYMPUS PEN E-P1・17mmf2・8」

立夏の候

GW期間中たくさんの人で賑わった白谷雲水峡は、平穏な状態に戻り登山者は極端に少なくなった。

9日、台風1号の影響なのか南から暖かい風がやや強く吹いて、里地は朝の気温が17℃。白谷の森では休憩中でも汗ばむほど…生暖かい風と湿度がすごかった。その風が吹くたび、ユズリハの葉がまとまって降ってくる。ユズリハ(譲り葉)は新芽の時期、古い葉は垂れ下がり気味についていて代を譲る準備をしている。生暖かい風を感じて季節の変わり目を認識したのか、いっせいに散って枝を次の代に譲ったように思えた。今後は次の代の芽吹きが始まる。落ちた葉は多少なりとも土に変わり他の木も育む。わずか一年の生涯だけど、繰り返し世代交代が行われる。(ユズリハに限ってではないが…)

写真=9日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」

幻想的が樹木を助ける

6日、朝から夜まで一日雨にうたれた。何ヶ月ぶりだろう…。

東の風が一日吹き継続的に雨が降る。大粒の大雨ではなくシトシトと…、まるで梅雨を思わせる天気。レインウエアを着ていても中まで濡れるという雨。雨の日は雨に負けないように、気力と忍耐が必要で、それに負けてしまうといやな雨になってしまう。雨を受けてたつ心構えを持つと、雨を楽しめる。縄文一泊で行った。夜中までテントを雨粒が叩く。7日朝には雨も止み、風は北東に変わっていた。海水が蒸発して山には霧がかかって、見る人には幻想的な世界。屋久島では当たり前なことで、この霧が自然界(植物)にとっては重要な役割を果たす。雨が降らない日に霧がかかると、土壌が薄い場所で育っているコケや樹木は葉や、むき出しになっている根が水分を補給できるのだ。

写真=7日、小杉谷 「Canon PowerShot S90」

千年の芸術

6~7年前までは苔が付いていた楠川歩道の切り株。歩道横にあるため登山者が触ったり、踏んだりして今は道側にまったく苔がない。毎日繰り返されるため、付くひまもない。逆に苔が付いていると見れなかった、千年の歳月が造った天然の芸術。雨に濡れ無言のまま今日も黒光していた。

写真=5日、楠川歩道 「Canon PowerShot S90」

本日も雨

梅雨前線が南西諸島付近に停滞しているため天気は回復せず、夕方近くまで雨。森の中は最高の色合いになっていた。GWも終盤、今年は縄文杉や白谷雲水峡の登山者は昨年よりやや少なめだったように感じる。東日本大震災の影響もあるのかな?。来週いっぱい天気は回復しないようで、5月末の梅雨入り前に似ている。

写真=5日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」

湿潤の森

GW後半中日、天気予報は曇りだったのに、梅雨前線の影響か、白谷雲水峡は昼前から霧雨。昨日から降っている雨のお陰で森の中は湿潤。コケの色がいい!。雨が降ってくるとカメラをしまうけど、屋久島ではカメラを出して撮らないと…。ただ、コンパクトカメラはレンズの中が結露しやすいから要注意。防水機能カメラや、水中で使うハウジングを付けて大雨の中で挑むとよい。6~7月の梅雨時が、森の中の緑が一番きれい。

写真=4日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」

冷たい雨

朝から小雨。  昼前から本降りになる。白谷雲水峡の最高気温は11℃、風を感じないほど、縦に線を描くように雨が降っていた。里地の気温は14℃。

「傘かしげ」していますか?。 屋久島の登山道(歩道)で雨の日、傘をさして歩く登山者を多く見かける。私もたまにさすし、撮影では必需品。屋久島の登山道は道幅が狭いため、スムーズに離合できない。そこで、登山者のマナーとして上り優先(場所によってはケースバイケース)にして、下る人は止まって道を譲る。楠川歩道で、  傘をさして上ってくる人が、譲ってくれたことに対してお礼を言って通りすぎる。と、同時に傘の先端が目の前をかすめるように通り、傘や雫が顔に当たる時もある。枝葉の雫はまったく気にならないのに、人工的なものには不快になる。なぜだろう?私だけだろうか?。いや、不快になるのは、雫ではなく……思いやりではないだろうか?。江戸時代からの庶民の知恵(マナー)である「傘かしげ」<雨の日に互いの傘を外側に傾け、自分の傘の雫で相手が濡れないようにすれ違い、相手を思いやりながら、なにげなく道で傘かしげをやると、わりと粋なしぐさとされる>楠川歩道は江戸時代からの道、思いやりをもって粋な傘かしげ、してみませんか。

写真=3日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」

歳月

GWに突入した。  29日から屋久島の山は人、人、人で賑わっている。30日、縄文杉登山は700人以上、白谷雲水峡は500人近くが入った。山小屋はパンク状態。なのにテントも持たず登る人が多い。信じられない!。小屋の外で野宿でもするつもりかな。何事もなければ結果オーライだろうけど…。ほとんどの人が、最悪の場合を想定していないのが現状。今年は何事もなければいいのだが……。

白骨樹。こんな木を見ると、いったい何歳だろうかといつも思う。大きさからすると、けっして古くはないはず。雨、風、雪で枝葉はもぎとられ、すぐにでも倒れそうなのに、しっかり立っている!。昨年、樹齢2000以上の翁杉が突然倒れたように、この木たちも若くしてその日がくる。自然界の厳しさは、標高が高くなるほど、老いも若きにも関係なく襲いかかる。

写真=1日、標高1600m付近 「Canon PowerShot S90」

花香る

県道で車の窓を全開にして走っていると、突然甘い香りが飛び込んでくる。それはシャリンバイとエゴノキの花……。エゴノキの幹は毒があるといわれるが、落ちた花をヤクシカが食べ、秋に落ちた実(種子)をこれまたヤクシカがぽりぽりと音をたてて食べている。だけど、ヤク猿が花と実を食べているのを見たことがない。昔、エゴノキは青い実の皮を剥いで石鹸の代用にしたといわれ、地面に落ちた花の近くまで行くと、いい香りが漂う。

写真=エゴノキの花 「OLYMPUS PEN E-P1」

緑、駆け上がる

屋久島は海抜0mから1936mまで、亜熱帯から亜寒帯(亜高山帯)の植物の垂直分布が見れる所。それが世界遺産登録の理由。原始林や復活した原生林、照葉樹林。メディアが縄文杉ばかりとりあげて、肝心なものが抜け落ちてしまった。屋久島=縄文杉が観光の主流になって、60%近くが縄文杉に頼っていると聞く。昨年、推定樹齢2000年以上の翁杉が倒れた。相手は「生き物」、縄文杉もいつ倒れるかわからない、縄文杉が倒れるとこの島は沈没してしまう。単独で縄文杉を観に行った人たちは、屋久島の中身をしらず帰ってしまう。だからリピーターとしてあまり来ない。中身をしっかり伝えるガイドツアーを選び、屋久島のすばらしさを知ってほしい。縄文杉を育てた原生林、水、光、など大事なものをじっくり時間をかけて観てほしい。歩くだけではなく、森の中で動かずその場で一日ゆっくり過ごすのもいい。必ず何か伝わってくるはず!。

写真=27日 「EOS 7D・17-55mmF2・8」

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