カテゴリー
-
最近の投稿
アーカイブ
メタ情報
南西の風に乗って
一週間ぶりの雨。日中は小雨が降ったり止んだり、時々晴れたりで安定せず。夕方からは雷を伴ったよこなぐりの雨になった。この時期からの雨は南西よりの風に乗ってやってくる。晴れの天気が続くと屋久島の森、特に白谷雲水峡のコケは
“色、艶がなくなりパサパサ”。そこへ雨が降りコケまでとどくと、生き返ったように色が濃くなりシャキッとする。乾いたコケがこうも変わるのかといつも驚かされる。植物にとってはやはり「命の水」だ。その雨水が地中にしみこみ始めると、森中が独特のにおいに変わる。カビ臭いような腐葉土のにおい。と同時に土の中から水に押し出されたミミズや虫を鳥が食するなど、食物連鎖も始まる。
写真=15日、白谷雲水峡 「Canon PowerShot S90」
※この撮影雑観ページの写真は拡大して見ることができます。
拝啓、春暖の候
西部地区の照葉樹が気になり、車は一路西部林道へ。車内の外気温度計は18℃、天気はスカッパレ、窓を開けて走ると南風が気持ちいい。里地の山はかなり新緑が進んでいる。南側の尾之間地区まで来るとかなり暖かくなった。西部林道では車道横にヤク猿たちが気持ちよさそうに寝っころんでいた。そこへ、な、な、なんとニワトリがー!。よく見ると雄鶏!、なんでここに???、その鶏を撮っていたらこちらにゆっくり寄ってきた。おそらく人に飼われていたようだ。最後の栗生集落から2km以上もある場所まで散歩にくるはずもなく…。誰かが捨てた?放し飼い?、猿たちも不思議そうな顔で見ていた。
写真=13日・栗生集落「EOS 7D・70-200mmF2・8」
小さいけど、見つけてやって!
縄文杉を見に行く時も、見た後も、黙々と森林軌道(トロッコ道)を歩く登山者。
もったいない!足元の横では季節を伝える花々が春を告げているというのに…。桜の花がきれいだと、上は見るけど、足元の横は見ていない…?。縄文杉は季節に関係なくいつでも(今のところ)見れるけど、季節の花はその時だけしか見れません。写真を撮る者としてはその時を撮りこぼすと、来年まで待つことになります。“狭い屋久島、そんなに急いでどこへ行く”、たまに立ち止まってゆっくり周りを見ることも、後ろを振り返るのも必要ですよ。ちなみに私は、撮影で森に入ると100m歩くのに1時間かけます。撮る物を探すのではなく、見て感じた物を切り撮るだけです。植物が「撮って!」と言ってるような気がする時もあります。(あくまでも)見落としてしまうような小さい花でも、しっかり咲いて「生」を主張します。その「生」を受け止めることで、森全体が見えてきます。写真のフデリンドウはトロッコ道横の土手や岩壁に、晴れた時だけ花びらが開きます。高さ2cm以内です。『木を見て森を見ず』、縄文杉を見ただけで屋久島を語るなかれ。
写真=11日・フデリンドウ/トロッコ道「Canon PowerShot S90」
ヒメシャラ
屋久島の森の中でひときわ目立つ「ヒメシャラ」(姫沙羅【つばき科】)。 手で幹を触ると非常に冷たい樹。冬場、植物たちは雪の中で寒さにじっと耐えます。真冬、目を閉じてこのヒメシャラを触ると、まるで氷を触っているような感覚です。樹皮が薄く水の通り道が表面に近いため、一年中冷たいといわれます。白色で小さい(直径3cmほどのサザンカの花に似た)花を初夏に咲かせます。落ちた花を拾ってかじると甘みがあり、ヤクシカも一つ残らず食べます。秋には紅葉して森に色を添え、落葉して腐葉土を作ります。そのヒメシャラの芽吹きは標高が高い場所ではまだまだ日にちがかかりそう。屋久島の数多い植物の中で私が一番好きな木だ。
写真=11日・高塚山、朝日が当たるヒメシャラ「Canon PowerShot S90」
命の音
7日午前5時、里地の気温は17℃、かなり暖かい朝になった。それでも昼間の「天文の森」は12℃で雨。山はまだまだ寒い!。時々突風が吹くと、枝葉の水滴がまとまって降ってくる。
風が止み立ち止まって耳を澄ませると、枝の葉や落ち葉、水溜りに落ちる雨粒の「音」が重なりあって聞こえてくる。森にとっては「命の音」だ。巨木を仰ぎ見ながら、千年以上もこの音を聞きながら育ってきたんだ…と心で会話していると、顔に雨粒が当たり冷たさを感じる。屋久島の標高1300mは、福島、宮城の気候と同じぐらいといわれ、被災地の寒さを気に留めながらまた歩き始めた。これから一雨ごとに暖かくなって、山も本格的に春景色に変ってくる。
写真=8日・天文の森 「canon Power Shot S90」
屋久島写真




