雨に挑む

小雨や普通の雨ではなく、大雨の時はカメラを持って戦闘態勢に入る。

撮影テーマである「神々からの伝言」は雨=『水によって森、人は生かされる』が、関係するため「雨」を徹底的に追い続ける。

ある日、撮影中、近くに落雷もあったけれど、伝言を聞くため、感じるため自然の中と一体となって、体はずぶ濡れになりながらもカメラだけは濡らすまいと、必死で撮り続けたこともあった。

大雨の中では身の安全を確保しながら撮らなければならないから、中途半端な気持ちでは出来ない。また、フィルムカメラを使うため、フィルムの取り出し、装填は濡れないように傘をさして、細心の注意をはらう。

作品の撮影は100%フィルムカメラ。デジタルカメラは使っていない。また作品の写真はほんの一部を除いて、ほとんど公開もしていない。

そうやって命がけや苦労して撮った写真でも、現像から上がってきたポジフィルムを見た時に、自分が感じたものと写っているものが合わなければ、それは全部ボツになることもある。

そしてまた撮りなおす。その繰り返しが10年。

やっと一区切りの終盤が近づいてきたが、必要なあと2カットがまだ撮れていない。

春までに撮れたらいいけど、焦らずその時を待つことにする。

 

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