昨夜降ったまとまった雨も未明には止んだので、今日は14年前に撮影で入った森を歩いてみた。夜が明けてもまだ曇り空は続いていたため、森の中はちょっと薄暗く風が吹くと葉についていた雫が多少落ちてきた。苔はたっぷりと水が蓄えられているのか、深緑になって水滴がきらきらしている。14年前歩いたこの森の道は、江戸時代に使われていたと思われる山道で、石積みがうっすらとわかるぐらいだった。それが今ではその道を鹿がいつも歩いて踏み固めたように、はっきりとわかるようになっていた。(鹿は歩きやすい所をいつも歩く習性があるようだ)あの時は、森の中に江戸時代に伐られた屋久杉の残骸がたくさん転がっていて、苔に覆われていたのを覚えている。台風などで倒木があり、森はかなり荒れてしまっているだろうと思いながら入ってみると、意外とそれは無く、14年の歳月がたってもあまり変わっていない事に驚いた。ただ、屋久杉(土埋木)は木肌が見えないぐらい苔に覆われ、その上に14年前にはなかった別の木の新しい命が育っていた。つづく 写真=22日、苔に覆われた屋久杉土埋木