高波の猛威、ウミガメの卵が被害に…。

19日、台風が過ぎた後、「自然の脅威」を表現するために、どうしても気になる場所があって撮影に行った。撮影テーマである「神々からの伝言」は海から始まる物語…。

その海は台風で波の高さが7mを超える大しけ。今、屋久島の海岸(砂浜)では連日ウミガメが産卵をしており、その卵が気になったのだ。母カメが砂浜に穴を掘り卵を産み落とし、終わると足で砂をかき、その穴を埋めてしまうのだが、高波が来ると穴の深さが40cmぐらいしかない所に埋まっている卵は流出してしまう。今回の台風でかなりの卵が砂ごと流出したのではないかと思いながら、まず田代海岸へ向かった。砂浜に行くと海からは蒸気が上がり、かなり蒸し暑く、まるで温泉地を歩いているよう。砂浜にはまだ3mを超す高波が打ち寄せていた。

田代海岸の砂浜はもともと狭く、砂も浅かったため、高波は植物のハマユウをなぎ倒し、堆積していた砂も削り取り壊滅状態に近かった。その倒れたハマユウの周りには流出した卵が散乱して、鳥がつついたものもあった。何個流出したかはわからない。写真=19日午前、田代海岸「7D」

次に向かったのが、永田いなか浜。砂浜を見て唖然とした。卓球の打ち込み練習をしてピンポン球がそのまま放置されたような状態だった。

ここは午後から、永田ウミガメ連絡協議会、NPO法人屋久島うみがめ館、環境省、鹿児島県、屋久島町役場職員、ボランティアの皆さんで、流出してしまって、今後ふ化は無理であろうと思われる卵を回収した。(その作業を手伝いました)

回収した卵は、これからも続く産卵のため、支障がない場所に穴を掘りまとめて埋めた。また流出しかけ、かろうじて生きている卵は、慎重に掘り出し、埋まっていた状態で水平(転がすとだめ)を保ちながら移動と埋め方に技術を要する作業で、うみがめ館の係員が別の場所に移植した。写真=19日、永田いなか浜 「7D」追記、今回の台風6号のうねりを伴った高波で流出した卵は、屋久島うみがめ館大牟田氏の推定によると、今シーズンの産卵数の4分の1にあたる、8~10万個が流出したとみられる。

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