40年ぶりの街

1980年から2年間写真学校時代に撮影で通った大阪のアメリカ村。写真はまだフィルムの時代で、モノクロ作品は大阪の豊能郡豊能町で生きる人々の様子を撮影し、カラー作品は対照的にこのアメリカ村へ通って、お店や街の様子とパンク・ファッションをして歩く若者たちを追いかけていた。当時はこの街にループ?という喫茶店があり、確かその地下にはパームスというディスコがあったと思う。そこのオーナーをしていた日限萬里子さんにディスコ内で撮影をさせてもらえないかとお願いをしたところ、快く許可してくれて、主にパンクファッションをして踊る若者たちを中心に何回か撮影をしたことがある。それはもう個性的な人たちで、カメラを向けるとパンクとしての主張をしてくる。その瞬間すかさずシャッターをきる。そういう繰り返しがとても心地よく面白かった。当時のことは40年たってもまだ脳裏に焼き付いている。ただ、今回訪れたけれども、街の様子やお店の数なども増え、ループという喫茶店は無くなっていたようで、衣類を販売している女の子にも聞いてみたけど、そんな喫茶店は知らないと言っていた。当然ながら時代の経過を感じて、どちらかというと懐かしさよりも寂しさだけが残った。そしてこの村の創設に関わった空間デザイナーの日限萬里子さんが2005年に亡くなっていたことをNetで知った(享年63歳)。大変お世話になった方だけに残念でならない。ご冥福をお祈り申し上げます。 写真=3日、アメリカ村

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