打ちのめされた木々

また、土壌やカミキリムシの影響もあって、立ち枯れの状態にある杉とツガの木。
写真=21日、尾之間歩道
なぜ木の上に石が・・

答えは簡単。
見えている木は杉の根っこ。
台風で根っこごと倒れ、土も付いていたのだろうけど雨で流され石だけが残った。
屋久島ではよく見る光景。
写真=21日、尾之間歩道
用意周到の登山を

午後2時ごろ縄文杉からトロッコ道終点まで下りてきて休憩していると、トロッコ道をかなり疲れた様子で男女のペア(夫婦?親子?40代~50代?)が登山口方面から終点に到着した。
日帰りにしては時間的に度を越している。気になったので、その女性の方に声をかけてみた。すると、上に泊りだという。おそらく縄文杉を見て高塚小屋に泊まる予定だと思ったのと、背負っていたリュックを見るとあまりにも小さかったので・・・寝袋は持っていますか?テントは持っていますか?と聞いてみると「持ってません、フリースを着て寝ます」という。
しかし、今、屋久島の山小屋は「コロナ感染防止のため、ご利用はお控え下さい」と張り紙があり、泊まる場合はテントを使用しているのが現状。たぶん小屋に入ると思うが・・・・。
トイレを済ませた2人は大株歩道を登って行ったが、男性の足取りは重くよろよろしながら歩いていた。通常大株歩道入り口から縄文杉までは2時間半ぐらいで着くのだが、あの足取りだと4時間ぐらいはかかるのではないかと思った。
無事に着いたのか?下山したのかは今日の時点ではまだわからない。
7月末、69歳の女性1人が行方不明になり1週間後に遺体で収容された。8月は30代、60代の親子が日帰り縄文杉登山で遭難して、屋久島山岳利用対策協議会の職員に救助され、背負われて登山口に着いたのが夜の10時を回っていたという事案もあった。このように単独の登山者が何らかの問題を起こしている。情報取得不足、軽装での登山など用意周到が求められる。山をなめてはならない。 写真=19日、トロッコ道
「倒木」柏倉陽介写真展

柏倉陽介氏は、数々の賞を受賞し世界で活躍するNature photographer。
10年以上前から屋久島に通い続け撮影した作品がこのほど「倒木」-屋久島 ときの狭間に立ちて- の写真集として刊行された。その出版記念として屋久島で写真展が開催されるはこびとなった。
会期:2020年9月19日(土)~9月30日(水)
時間:11時00~17時00
会場:屋久島町小瀬田・Gallery TABIRA
凛とした森へ

育つ場所で運命が決まることも

台風10号の暴風で倒れた樹齢40年ぐらいの杉。
かつて500人以上が住んで、屋久杉伐採の最前線だった小杉谷。
昭和45年に伐採が終わり、閉山となった住居後に植林された杉だったが、地表の条件が悪かったのか近くの杉を巻き込みながら倒れていた。
この杉は3年前、テレビ番組で小杉谷集落を紹介するために映像撮影したものだっただけに、なんだか寂しさがこみ上げた。
育った場所によっては3000年も生きる屋久杉があるいっぽうで、40年足らずで終焉を迎える小杉もある。(屋久島では、樹齢1000年以上は屋久杉。1000年以下は小杉としている)
写真=15日、小杉谷
脅威にさらされる中で

屋久島はもともと土壌が少なく、植物は花崗岩の上で育っているのが通常。1枚岩の上で岩を這うように広がった根は木が暴風雨で揺さぶられると、ちょっとした隙間ができ、そこからいっきに剥がされてしまう。(個体の岩を根がつかむように育つと強い)
それは木が大きくなればなるほど幹の揺れ方が大きくなり、樹齢1000年以上の屋久杉でさえ倒れてしまう。そうした脅威にさらされる中、屋久島の木々はたくましく育っている。
そして、倒れた木の上、或いは根本に新たな木の種子が落ち、新しい命が育まれる。それは何千年も前から繰り返し行われている。
写真=15日トロッコ道、根が剥がれた杉の木
つかの間の晴れ

また雨の日が続きます

秋の気配も

夜は鈴虫が鳴いて、昼間は夏の終わりを告げる、セミのクロイワツクツクが大合唱をしている。
そして、夜から朝方はだいぶ涼しくはなってきたものの、暑さはまだ続いている。でも最高気温は30度を下回る日が多くなってきた。
ただ、ネットニュースを観ていると、太平洋の海水温がまだ30度ぐらいあるため台風が発生しやすいという。発生すると最強になるらしい。
例年秋の台風は大型になりやすいし、秋雨前線を刺激して大雨も降りやすい。まだ油断はできない。 写真=8日朝、長峰