数ヵ月ぶりの山中泊
例年だと夏休みで山中泊の登山者で賑わう高塚小屋。
さすがに今年は自粛で登山者は少なく、小屋は閑散としていた。小屋の近くでテントを張ったが、誰も来ず自分たちだけで森、縄文杉を独占。
翌日の午前5時過ぎから、日の出と共に朱色に染まる縄文杉を見るため展望北デッキに待機する。が、太陽は上がったものの朱色に染まることはなかった。
この時期は種子島の裏から太陽が上がるため、ある程度光が強くなってから当たるという状況で、来月ぐらいになると水平線から太陽が上がるため朱色の縄文杉が期待できると思う(晴れて、水平線に雲が無ければ)。今回は少し早かった。 写真=7日、縄文杉
梅雨最後の雨と連休は
23日からの連休は毎日雨で、リュックも靴も乾く暇がなかった。
そんな雨の中、24日の縄文杉登山者は470人を超えたようだ。コロナ禍の自粛でストレスが溜まり、堰を切ったように観光客が押し寄せた感じ。
といっても、例年だとこの時期は学校が夏休みに入ってすぐに観光で来島し、縄文杉を目指していた人数と変わらないように思う。
ただ、今年の夏はこの連休がピークで、今後はやはり減少していくと思われる。
また、一気に観光客が押し寄せたことで、コロナの感染が気になる。来てほしい反面、感染が怖いという複雑な気持ちをみんなが持っている。全国的にも観光地はそんな不安があるようだ。
離島の医療は脆弱で、もし屋久島で感染者が出た場合、徳洲会病院では隔離できる病室は1室だけと聞く。
2週間後に感染者が出ないことを祈るばかり。 写真=26日、白谷
5ヵ月ぶりの縄文杉はきつかった
04時40分、屋久杉自然館前の駐車場に着いて、車を降りて荒川登山口行のバス乗り場に行くと、登山者に対してコロナ感染防止のため、係員の日高さんが「すみませーん、検温しますね、首のところを測りまーす・・・・36.4度、はいOKでーす」(レーザーでピッと測る体温計を使っていた。37度以上だとバスの乗車はできないことになっている)。それが終わり日高さんにバスチケットを渡すと「これに名前と電話番号を書いて下さい」と、名刺大の紙を渡された。用意されたテーブルの上で名前、電話番号が線引きされた紙に書き終わるころに「書いた紙はバスに乗る時にボックスに入れてください」と言われる。
4時55分、5時始発のバスが来て、バスの運転席横に設置されたボックスへその紙を入れて乗り込むと、運転席の後ろと横の座席は座れないようにテープが張られていた。(運転手への配慮と思われる)大型バスの定員は55名だが、感染防止のため2人席に1人だけ座り、定員は20名と限定されていた。当然マスク着用を全員に義務ずけている。(マスクがないと乗車を拒否される)
小雨が降ったり止んだりの中、6時に登山口を出発。
トロッコ道は線路の真ん中に板が2枚敷かれているが、コロナの自粛でここ数ヶ月間登山者がいなかったせいもあり、その板が雨に濡れ、ヌルヌル状態になり、歩き始めから滑って転びそうになった。線路8㎞のうち何回滑って転びそうになったことか・・・。
途中のバイオトイレで休憩をしている時、右足首のくるぶしにチクチクする感じがあり見てみると、靴下の上からヤマヒルが血を吸っていた。登山者が数ヶ月いなくて、ここぞとばかりに吸い付いたのだろう。あとで「毎日のように数人が吸われている」と、ガイドから聞いた。
昼前に縄文杉到着。展望デッキに登山者は数人しかおらず、閑散としていた。通常だとこの時期は沢山の登山者で賑わっているのに・・・。やはりコロナの影響で旅行をまだ自粛しているせいもある。
帰りもトロッコ道の板で滑らないように注意しながら歩き、5時前にやっと登山口到着。
ばたばたしながらバスに乗り込んだ。この時すでに足、腰、肩の痛みがでていて、久しぶりの22㎞はきつかった。
この日の縄文杉登山者は50人ほどだった。 写真=17日、高塚