期待とため息と

屋久島の作品(写真)は100%ポジフィルムで撮っている。撮りためたフィルムは、1カ月以内に30~40本まとめて現像に出す。時には50本を超えることもある。デジタル写真と違って、現像から上がってこないと見ることができない。その上がってきたフィルムが入った袋を開封すると、フィルム独特の臭いがたまらなく好きだ。

そしてライトボックスに乗せて見た瞬間、期待どうりに写っていると喜びと安堵感があり報われる。しかし、納得いかなかった場合は、まるまる1本、ダーマトペンで斜線が入りため息と反省。たいがい一発勝負で光を捉えることができず、二度と同じものが撮れないときだ。自然は待ってはくれないから、瞬間、瞬間を見逃すまいと神経を研ぎ澄まし撮るが、思ったようにいかないこともある。

デジタルカメラ全盛の時代に、まだフィルムですか?と言われることもあるが、デジタルの時代だからこそ逆にフィルム写真の価値があると思う。印刷や大型プリントした写真の色合いや粒子の質感がなんともたまらない。

撮影の仕事はほぼデジタルカメラを使うことが多くなったが、フィルム写真をこよなく愛する者としては、フィルムが無くなるまで撮り続けたいと思う。HPで日々更新しているデジタル写真と作品のフィルム写真とはまったく異なります。

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