厳しい季節の中で生きる

屋久島の森は下草などが無いに等しい。あるのは毒を持つ植物、光や悪条件が重なり育ちにくいなどもあって、ある程度限られた植物になってくる。

それらを除く植物はいうまでもなく、多数の鹿が食べ尽くしてしまったからだ。そのため当の鹿は風などで落ちた緑の葉を主食としているが、それも無い時は枯葉も食べている。

冬、森の中に、落ち葉が隠れるほど雪が積もると、それさえかなわない。大雪の時、積雪が50cmぐらいあると、雪の重みで木の枝葉が垂れ下がり積面に近くなったその枝葉を、後ろ足二本で立ち上がり、とどいたわずかなものを食べている。だが、それが多くあるわけでもない。

それと、木の幹の皮を食べているのはこの時季が多いように感じる。

雪の上に落ちた緑の葉を探しながら歩く時は、足が埋まり腹を雪で擦りながら移動するのは大変な事。また、谷に深く積もった雪の中で、脱出できずに死んでしまうこともあるようだ。

鹿にとってこの森で生きるという事は、非常に厳しい季節になった。

今週は気温がぐっと下がり、山ではまた雪になる模様。そんな厳しい季節の中で生きる、鹿の姿を追い続けたい。

写真=21日、白谷雲水峡/22日付facebookウオール投稿に同写真、関連記事を掲載

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