ヒメシャラ

屋久島の森の中でひときわ目立つ「ヒメシャラ」(姫沙羅【つばき科】)。 手で幹を触ると非常に冷たい樹。冬場、植物たちは雪の中で寒さにじっと耐えます。真冬、目を閉じてこのヒメシャラを触ると、まるで氷を触っているような感覚です。樹皮が薄く水の通り道が表面に近いため、一年中冷たいといわれます。白色で小さい(直径3cmほどのサザンカの花に似た)花を初夏に咲かせます。落ちた花を拾ってかじると甘みがあり、ヤクシカも一つ残らず食べます。秋には紅葉して森に色を添え、落葉して腐葉土を作ります。そのヒメシャラの芽吹きは標高が高い場所ではまだまだ日にちがかかりそう。屋久島の数多い植物の中で私が一番好きな木だ。

写真=11日・高塚山、朝日が当たるヒメシャラ「Canon PowerShot S90」

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